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もうすぐ、iPhone6 が発売されるという噂だ。
まあ、それとはあまり関係ないことだけれど、iPhone を生み出した希代のイノベータ―、スティーブ・ジョブズの伝記本をようやく読了した。
Kindle版も購入していたが、紙のハードカバー(英語)で読んだ。
630ページの長さで、厚さが6センチほどあった。
ポットやスマフォやノートPCなどと一緒にカバンに入れて持ち歩いたら、カバンがパンパンにふくれた。(汗)

それでも、これは紙の本で読むべきだと思った。

生前、ジョブズは伝記の内容については、一切、口を挟まなかったそうだ。
彼は残忍で怒りっぽく支配欲の強い性格だったし、嘘をついて多くの敵や友人を欺いてきたから、それらの所業が伝記本で暴露される恐れもあっただろうに・・・。

その彼も、本の表紙や装丁には注文をつけた。
ハードカバー版だと紙にちょっとグレー色がかかっている。優しい色合いで、長く読んでいても目が疲れない。また、ざらっとした厚手の紙質の手触りがとてもいい。
表紙も、シンプルで美しい。
こうした細部へのこだわりは、ジョブズが作り上げたmacやiPodやiPhoneにそっくりだ。
シンプルこそが、洗練の極み(Simplicity is the ultimate sophistication)という彼の哲学が、この本の中にも息づいているように思う。

日本語の翻訳本は見ていないが、ジョブズのこうしたこだわりがちゃんと生かされているのだろうか?

ハードカバー版(英語)の表紙↓
jobs1.png

内容もとてもおもしろい。
複雑で矛盾のかたまりのようなジョブズの姿を、そのネガティブな面も含めて詳しく書かれていた。
たとえば、めったに風呂に入らず体臭がきつかったこと、平気で嘘をついて友人を欺いたこと、Apple Ⅱ の成功で長者番付にのるほどの大金持ちになったにもかかわらず、かっての恋人と自分の娘への養育費支払いを拒否して、彼女らを福祉で生活するような極貧状態に放置したことなど・・・・。
ジョブズは生みの親に捨てられて里親のもとで育てられた。育ての親はとても愛情深い人たちだった。
彼はこうした運命に怒ったが、同じことを自分の娘にも繰り返してしまった。(親に虐待された子供は、自分が親になってから同じように子供を虐待するケースがよくあるという。ぼくは精神科医ではないので、こうした心のメカニズムはよく分からないが・・・。)

ジョブズの気質については、元アップル社員の、カゼ―の次の言葉が簡潔に語っていると思う。
『民主主義に沿ってたんじゃ、素晴らしい商品なんて創れっこない。闘争本能の固まりのような独裁者が必要なんだよ。』

たぶん、現状では、この本がジョブズに関するもっとも詳しい資料ではないだろうか?

それから、いまの若い人は知らないかもしれないので書くが、スティーブ・ジョブズは iPodやiPadやiPhone などを生み出したことで有名だけれど、彼はパーソナル・コンピュータの世界でも革命児だった。

昔のコンピュータには、いまのMacやWindowsのように、アイコンやマウスを使ったグラフィカル・ユーザー・インターフェース(以下、GUIと省略)などなかった。
まだ、インターネットもブロードバンドもなかった頃だ。
ぼくがはじめてネットに接続したときは、ダウンロードされた文字データが順次モニターに表示されるのだが、モデムの速度があまりに遅くて、そのままその文字を目で追って読むことができたくらいだ。ダウンロードが終わる頃には、ほぼ読み終わっていた。(これは、さすがに大げさですが。爆。)

その頃のコンピュータは、キーボードからコマンドという暗号みたいな文字を入力して操作していた。
一つ例をあげるならば、ファイルを削除したい場合は、以下のようなコマンドとファイル名を入力していた。

たとえば、MS DOS系のOSだと、
A>del abcd.exe
⇒この意味は、Aドライブのカレントディレクトリにある、absd.exeというプログラムファイルを削除する。

CP/MというOSだと、
A>erase absd.exe
Unix系だと、
A>rm abcd.exe と、それぞれキーボードから入力していた。

del, erase, rm などは、削除コマンドと呼ばれるもので、ファイル一つを削除するにも、こうした暗号みたいなコマンドを覚える必要があった。
昔のコンピュータは、誰もが簡単に使えるものではなかった。(当時はコンピュータがあまりにバカ高く、簡単に買えないということもあったのですが。ぼくの友人は、Macintosh のことを 「借金トッシュ」 と呼んでいた。Macを買うために、高額のローンを組む人が多かったから。)

これらを一気に変えたのは、スティーブ・ジョブズの生み出したMacintoshだったように思う。
ジョブズのMacでは、コマンド名を覚えなくても、マウスとアイコンを使っていろんな操作が可能になっていた。
たとえばMacでファイルを削除したい場合は、マウスで、そのファイルをクリック&ドラッグしてゴミ箱のアイコンの中に放り込めばファイルは削除される。
del, erase, rm などの削除コマンドを覚える必要はなくなった。
ジョブズのMacによって、誰でも簡単にコンピュータを使えるようになった。

その後、Macの成功を見て、マイクロソフト社から Mac のグラフィカル・インターフェースをそのままコピーしたような windows95が発売された。
ちょうど、いまのアンドロイド携帯が、ジョブズが作り出したiPhoneのインターフェース(アイコンとタッチ操作)をほぼ完璧にコピーしているように。

《追記》
公平に書くならば、ジョブズがMacで生み出したGUIもジョブズのオリジナルではなく、Xerox PARC で使われていたGUIをMacにコピーしたもの。
このいきさつについては、Steve Jobs の本の中では、コンピュータ産業の歴史で最大の剽窃の一つ(one of the biggest heists in the chronicles of industry)と書かれていた。

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最近はさっぱり本を読まなくなった。
これは、久々に読んだ本。




"How I caused the credit crunch" by Tetsuya Ishikawa

タイトルは扇情的なようで陳腐だが、2008年のサブプライムローン、その後の金融危機の中で現場にいた人が書いたインサイド・ストリー。(一応、人物や会社名などは架空で、フィクションという形になっているが。)

著者は、石川テツヤという日系のイギリス人。
オックスフォード大学を出て、ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーで金融トレーダーとして働き、2008年の金融危機で職を失った。

金融バブルでの乱痴気騒ぎ(2007年度のゴールドマン・サックスの社員の平均給与は、日本円にして7,000万ほどだったそうだ)、金融危機のまっただ中で、仲間を裏切って自己保身をはかる人など、その人間模様なども面白い。

金融用語(finacial jargons)の解説もわかりやすく、著者はトレーダーの職を失っても、この分野で十分喰っていけると思った。
サブプライムローンの原因にもなった、ABS(資産担保証券)やCDO(債務担保証券)やMBS(モーゲージ担保証券)などの商品の解説もわかりやすい。

たとえば、MBS(モーゲージ担保証券)についての解説は、こんな感じ。

石川の知り合いで彼のメンターでもあったスイスの銀行家の話。
その銀行家は、7歳のときに金利をつけて友人へ金貸しを始めた。(7歳の子供が、友人に金を貸して利息をとるというのはいかがなものかと思うのは、日本人のぼくの感覚であって、何世代も続くスイスの銀行家の一族に生まれた彼にとっては、なんらやましい気持ちなどなかったのだろう。)

スイスの金融業の繁栄は、こうした文化風土の下にあるのかもしれない。

息子が金貸しを始めたことを知った銀行家の父親は、毎月のお小遣い以外に、年率1%の金利で息子にお金を融資することで、息子の事業を助けることにしたのだから。

息子は、手持ちのお金を最大限に活用しようと思った。
金貸しのためには、一定の現金を保有していることが必要だが、これらの現金は利益(利息)を生み出さない。
打開策として彼は、借用書を別の友人に売却して、現金を確保することにした。
たとえば、年利5%で1年後に償還される100円の借用書を、130円で売却することにした。
これで得た現金を、新たな融資に回し、貸し倒れのリスクも減らし、少ない元金で最大限の利益を出せるようにしたのだ。

石川によれば、リーマン・ブラザーズやソロモン・ブラザーズが販売していた、MBS(モーゲージ担保証券)やRMBS(住宅ローン債権担保証券)なども、これとまったく同じやり方なのだそうだ。

もちろん、借用書を売却するためには、お金がきちんと返済されるということを、友人たちに納得させることが必要になるが。別の言葉だと、債権の信頼性や流動性を保証されることが。
子供同士の狭いサークルの中では、購入者に直接会って、彼を納得させることも可能だろうが、多国間にまたがる巨大な金融市場では、どうやって購入者に債権の信頼性や流動性を納得させるのか。

これについても、いくつかのトリックが解説されていた。

一つだけ例をあげれば、100万の不動産に、90万の抵当付き債権が設定されている場合。
金融危機以前のアメリカでは、土地の値段は絶えず上昇している。100万の不動産に90万の抵当付き債権が設定されているとして、この不動産の値段が150万に上昇したときに、抵当権の額が以前のままだと、流動性は最初の10万(100万-90万)から、60万(150万-90万=60万)へと500%も上昇したことになる。

これをムーディーズやStandard&Poor'sなどの格付け機関に格付けしてもらえば、この抵当付き債権は、500%もの流動性価値が増したのだから、AAAという最高ランクのレーティングがもらえるそうだ。
こうして、もともとは信性性の極めて低い、サブプライムローンなどにも、第1級の格付けがもらえるようになるそうだ。

詐欺みたいな方法だと思わないでもないが、石川によれば、MBS(モーゲージ担保証券)やCDO(債務担保証券)は、このような方法で格付け機関のお墨付きをもらって、世界中にばらまかれたそうだ。これらが、サブプライム問題を引き起こし、金融市場のメルトダウンを引き起こす原因になったという。

この本は、金融危機の中で、その現場にいた人間のインサイド・ストリーとしては、おもしろく書かれていると思う。
ただ、石井テツヤは、英語があまりうまくないとも思った。読んでいて、リズミカルな心地よさがまったくないのだ。英語はネイティブのはずだし、イートン校やオックスフォード大学というイギリスの最高機関で教育を受けてきたわりには。。。
それとも、彼のもともとの母国語は日本語なのだろうか?

同じく金融危機を扱った本としては、The Big Short: Inside the Doomsday Machine by Michael Lewisの方がずっと面白いかも。。。
これは、石井テツヤとはまったく逆で、サブプライムローンが破綻する方に賭けて、空前の空売りを行い、金融危機の中で巨額の富を獲得する男たちのノンフィクション・ドラマ。

参考記事
【6627】テラプロープ
最近、夏バテのせいなのかはわからないけれど、何事に対しても意欲がわかなくなってしまった。

PBに関しては、マイケル・クライトンの生前に出版された最後のノベル、
"NEXT"をようやく読み終わったところ。(2008年に彼は亡くなった)。
彼のノベルは、いつも楽しみにしていたので、もう読めないのはとても残念でならない。

"NEXT"については次の機会に書くとして、今回は、彼の"State of Fear"というノベルと環境問題について。
出版当時はかなり注目されたけど、いまはジュラシック・パークやアンドロメダ病原体などの他のノベルに比べると、あまり取り上げられないようなので。

クライトンは"State of Fear"で、エコロジー過激派による環境テロをテーマにしていた。
また、そのappendixでは、地球温暖化の原因をCO²の増加と結びつけることに疑念を表明していた。
これに対しては、さまざまな人や環境団体から批判を受けた。

以下はこれらに関する、ぼくの考え。

これは、少数派の意見です。
CO²などの温室効果ガスが温暖化の主要な原因であり、これは科学的だけでなく、政治的にも決着済みらしいから?

クライトンの主な主張。

We know astonishingly little about every aspect of the environment, from its past histry, to its present state, to how to conserve and protect it.
地球環境のさまざまな分野については、その過去の歴史から現状まで、それをどうやって守っていくかなど、我々は驚くほど何も分かっていない。

We are also in the midst of a natural warming trend that began about 1850, as we emerged from a four-hundred-year cold spell known as the "little Ice Age."
我々は、温暖化トレンドの真っただ中にある。これは、400年ほどの周期で繰り返されるミニ氷河期が、1850年あたりに終わったため。

Nobody knows how much of the present warming trend might be a natural phenomenon.
現在の温暖化トレンドのどれだけが、自然現象によるものかは、誰も分かっていない。

Nobody knows how much of the present warming trend might be man-made.
現在の温暖化トレンドのどれだけが、人的活動によるものかは、誰も分かっていない。

Nobody knows how much warming will occur in the next century. Computer models vary by 400 percent, de fact proof that nobody knows.
21世紀にどれだけ温暖化か起きるのかは、誰も分かっていない。コンピュータモデルによっては、その数値に400%もの変動がある。これは事実上、誰も分かっていないということの証拠。

Before making expensive policy decisions on the basis of climate models, I think it is reasonable to require that those models predict future temperatures accurately for a period of ten years.
ある気候モデルにもとづいて、財政支出を要する政治決定をする場合には、その気候モデルは、直近の10年間の気候変動くらいは正確に予測できてもいいだろう。

次はぼくの意見。
わりとクライトン寄りではあるが。
ぼくは温暖化問題に関してはまったく無知であり、理解するために努力もしていないので、本当は語る資格はないのだが。
また、ぼくは性格からして、みんなが正しいということに対しては疑ってかかる傾向があるために、偏向的な見方をしているのかもしれないのだが。

地球温暖化という巨大なマクロ現象には、いろいろな要素(地球だけでなく、太陽系全体)が複雑にからみあっていて、その要因を仕分けたり、特定したりするのは現状では不可能ではないのか。
データの出し方や解釈次第では、どのような結論でも導き出せるのではないか。
そもそも、温暖化が自然変動(太陽の黒点の移動、地球の軌道の変化など)によるものなのか、それとも人間の活動の結果にによるものなのかさえもよく分かっていないのではないか。
(CO²が温暖化の主たる原因なら、産業革命以降の地球の気温は(多少の変動はあっても)継続的に少しずつ上昇しているはずだけれど、記録や資料では必ずしもそうはなっていない。)

結論。
地球温暖化のculpritに関しては、クライトンが正しいのか、マスコミや政治家の意見を含めて環境保護団体の主張が正しいのかは、ぼくにはまったく分からない。

仮にCO²が温暖化の原因だとゆずったとしても、その排出量が外交的に取引されたり、金銭による売買の対象になるメカニズムが、ぼくにはよく理解できない。

夏の都市の熱帯化は、都市での緑の減少、人の経済活動、いたるところにコンクリートやアスファルトを敷き詰めたことによるヒートアイランド現象なので、CO²の増加とはあまり関係がない。

地球温暖化の主な原因は、太陽の活動らしく、太陽の黒点移動と地球の気候変動とは密接な相関関係があるらしい。
参考資料⇒NASA's Solar Dynamics Observatory Catches 'Surfer' Waves On the Sun

CO²による温暖化説は、原発推進運動と密接に結びついていた。
(日本の場合はとくにそうだった。福島の事故以降は、あまりCO²のことは言わなくなったが。)

環境保護は、経済にうまく組み込まれることが必要で、市場メカニズムを無視した政治的な決着や流行やイデオロギーとしてのエコロジー運動は成功しないだろう。

"State of Fear"の冒頭には、ジョージ・オーウェルの有名な言葉が引用されている。
Within any important issue,there are always aspects no one wishs to discuss.
重要な問題では、誰もが目を背けて語りたがろうとしない側面がいつもついてまわっている。
⇒これは、いまの原発と電力問題の騒動にもそっくり当てはまるのだろう。

最後にマイケル・クライトンのノベルと彼の英語の読みやすさについて。
クライトンは、「恐怖の存在」"State of Fear"あたりから、社会的なテーマを前面に押し出すようになり、読み物としての面白みには少し欠けるようになった。
"Congo"や"The Andromeda Strain"や”Jurrassic Park”あたりがエンターテイメント性も高く、最高に面白かった。

彼の英語は平易なので、英語の読解の教材としては最適だと思う。



おススメ度<★★★★>

参考記事
「星を継ぐ者」ジェームス・P・ホーガン、SF史上に燦然とかがやく傑作

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テーマ:思想・社会・メディア
ジャンル:本・雑誌
最近は、更新も不定期で遅れがちですが、今月でブログを始めてちょうど2年目になります。(書きたい素材はいろいろとあるけれど、それを言葉という形に具象化していく作業に疲労と戸惑いを感じてしまうこの頃。)

今回は、久しぶりにSF小説について書いてみます。

去年(2010)の7月に、SF作家のJames.P.Hoganが亡くなりました。
彼はもっとも好きなSF作家でした。

以前にこのブログで、"Thrice Upon A Time"「未来からのホットライン」という彼の小説を紹介しました。

これは、タキオンを使って過去の自分と通信をするという物語です。(タキオンはマイナスの質量を持った粒子。その質量は自然数ではなく、虚数単位を使って定義されます。それの波動を利用して、時間を反転(虚時間を発生させる?)させて、過去と通信するという物語。)

もちろん、こうした試みには、必然的にパラドックスが憑いてまわります。
たとえば、「未来からのホットライン」では、グラスが割れるから注意しろというメッセージが2分後の自分から送られて、それためにグラスをどかしてグラスが割れないという現象に遭遇します。
グラスが割れた未来はどこへ行ったのか?
グラスが割れないのならば、そもそも、何故、こんなメッセージが未来の自分から送られてきたのか?
このパラドックスをめぐって、さまざまな解釈や議論が展開していくけれど、そこがこのSFの面白い部分でもあります。

パラドックの解釈については(注1)を参照してください。

話が脱線してしまいましたが、今回は、彼の処女作、"Inherit The Star"「星を継ぐもの」の紹介したいと思います。
読者投票のオールタイム・ベストSFには必ずノミネートされる、SF史上に燦然とかがやく傑作でもあります。

205X年の近未来。
月の資源の調査をしていた一行が、月の渓谷の中に人間の遺体を発見する。
調査の結果、この人間は月面基地のどこの部署にも所属していないこと、さらには5万年前に死んだ人間の遺体だということが判明します。
5万年前の人間の遺体が、何故、月の渓谷の中にあるのか?
(遺体の炭素同位体の崩壊率から、年代測定はほぼ間違いないことが確証されている。)

5万年前の人類は誕生したばかりの旧石器時代。
月へ飛行する技術など持っているはずもない。

この謎を解明するために、世界中からさまざまな分野の学者たち、医者、歴史学者、言語学者、考古学者、人類学者、生物学者、遺伝学者、物理学者などがチームを組んで、この謎を解明していくという物語。
さまざまな仮説が提示され、検証され否定されて、さらに新たに仮説が提示されていく。
ついには、一つの仮説へと収束されていく。
それは、人類誕生の謎が解明される瞬間でもあった。。。

ハードSFの傑作であるだけではなくて、ミステリ小説としても断然に面白い!

「辻斬り書評」というブログでは、こんな言葉で紹介されていました。

「未読者は幸せである。得難い愉悦に、これからたっぷり淫することができるのだから。」

現在、星野之宣氏によって漫画化もされて、ビッグコミックに連載中です。
(ビッグコミックは、ぼくがいまでも購入している唯一のマンガ雑誌です。)

やっぱり、James.P.Hoganでは、"Thrice Upon A Time"と、この"Inherit The Star"が好きですね。

英語のレベルとしては、個人的には平易で読みやすいと思いました。日本語では読んでいないのですが、池央耿の翻訳は名訳だという評判です。



おススメ度<★★★★★>

(注1)
たとえば、過去に戻って自分の先祖を殺すとか。
それが成功したらそもそも自分は存在しないはずで、何故、先祖殺しが可能になるのか?
タイムトラベル系のSFには、こうした因果律の破たんがつねについてまわります。
H.G.Wellsの有名なタイムマシンは、数十万年後の未来への飛行に設定することで、この因果律の破たんを回避しています。基本、タイムマシンでの未来への飛行は、いまの物理学でも理論的にも技術的にも矛盾なく成立します。ただ、その飛行は一方通行で、未来から現在に戻ることはことは原則的に不可能です。
バックトゥーザフーチャーでは、多世界解釈(パラレルワールド)を採用ていたように思います。(同時にパラレルワールドが存在しており、そこには別の選択をして別の人生を生きる自分が存在しているという設定。)
ターミネーターでは、量子力学でいう、"重ね合わせ"が採用されている?
機械が支配する未来とそれを回避する未来のどちらにもまだ収束されていない状態。いわゆる、"シュレディンガーの猫が、同時に生きかつ死んでいる重ね合わせの状態で、そのどちらにもまだ収束されていない宙ぶらりんの状態

参照記事
「未来からのホットライン」 ジェームス・P・ホーガン

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テーマ:読んだ本の感想等
ジャンル:小説・文学
Arthur.C.Clarke(アーサー、C、クラーク)は、大好きなSF作家の一人でした。

(2001年宇宙の旅)という映画の原作者としも有名ですが、彼の作品でわたしが一番好きなのは、Childhood's End(幼年期の終わり)ですね。

これは、人類が、ある日突然、自分たちより進化したエイリアンと出会い、彼等との交流を通して、人類がその幼年期から脱皮して、より高次のものに進化していく過程をえがいた物語。

大学生の時に、この本を読んだときは、Arthur.C.Clarkeの思考のスケールの大きさに打ちのめされました。

20世紀のSFの古典として残るだろうし、あるいはSFというジャンルを超えて、20世紀のすぐれた知性の思索の足跡として、これからもずっと語り継がれていく作品なのだろう。

「ユーチューブ」に、亡くなる直前のインタビューがアップされていました。
ゆっくりとしゃべっているので、わかりやすい英語だと思います。
英語のリスニングを勉強されている方は、どうぞ。


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テーマ:英語
ジャンル:学問・文化・芸術
今日は一日中部屋にいて、何処にも出かけなかった。
そして、これからのことを、いろいろと考えてしまった。

いまは、何とか生活しているというだけの状態ではあるが、しかし、ただ、生きている」というレベルに留まっているだけでもつまらない。

自分の年齢では残された時間も少ないのだから、自分がやりたいと思うことを悔いがないように精いっぱいに頑張ろう、そういう気持ちを持ち続け、1日にわずかの時間でも自分の為の時間を作るようにしよう。

何となく、こんなことを考えた一日だった。

夜になってからは、George,Orwell「1984」を、読み返していた。
この小説が描いている悪夢のような世界は、いまの世界に似ているなァーって思ってしまう。「事実は小説より奇なり」、案外、現実はこの小説よりももっと酷い状態になっているんじゃないのかなァーって・・・。

それと、この小説には楽しい要素はあまりないからないから、読んでいてつらくなってくる。
すごくマトモで大事なテーマを扱っているのだが。(村上春樹の、「1Q84」は、この小説のパロディ、それともオマージュなのかな?)

たとえば、マイケル・クライトンの「恐怖の存在」みたいに。この小説も、「環境問題」という非常に重要なテーマを扱っている。(この小説では一般的の風説とは、逆のことが真実だと主張されていますが、マイケル・クライトンの言っていることの方が、正しいような気がしますね。)

個人的には、ダン・ブラウンの「ダ・ビンチ・コード」や、ジェームス・ホーガンの「星を継ぐ者」なんかの小説が、エンターテイメントもウンチクもあって、読んでいてずっと面白いと思うのだが。

ぼくの英語力が落ちているのか、この小説が難しすぎるのか(造語なんかも、結構あったりする)、それとも今日のぼくの体調が悪いのか、読んでいながら、内容にも、言葉の壁にもつまずいてしまいそうになっている。

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テーマ:洋書
ジャンル:本・雑誌
先日、欧州原子核研究機構(CERN)について、また、そこで生成する可能性のあるミニブラックホールが巻き起こした騒動などをブログに書きましたが、同じような題材を取り扱ったSFを、以前、読んだことがあります。

James.P.Hoganの「未来からのホットライン」というタイトルの本です。

核融合原子炉内で、ミニブラックホールが生成されて、回転しながら軌道をかたちづくり、新たに生成されるブラックホールと融合して、さらに、他の物質を吸収しながら成長していく。
やがて地球自体を飲み込んでいくようになる。
そして、地球が崩壊の危機に直面することになる。
地球の崩壊を回避するためには、過去のある時点に戻って、核融合原子炉の運行を止める以外に方法がない。

そこで、あらたに開発された異時間への通信機器を使って、過去へ警告のメッセージを送るという物語。

通信の媒体としてタキオンが使われることになります(タキオンとは、一般の物質と違って、マイナスの質量を持った物質。その質量は自然数ではなく、虚数単位を使って定義するのだそうです。タキオンのパルスを利用して、時間を反転(虚時間を発生させる?)させて、過去との通信を試みる。

もちろん、こうした試みには、パラドックスが必然的に憑いてまわることになる。

たとえば、「未来からのホットライン」では、グラスが割れるから注意しろというメッセージが2分後の自分から送られて、それに気がついた結果、グラスが割れないという現象に遭遇します。このパラドックスをめぐって、さまざまな解釈や議論が展開していくけれど、そこがこの小説の面白い箇所でもあります。

一番妥当な解釈は、過去の出来事に干渉した結果、歴史が改変しても、その変化は瞬時に反映されて、その変化に基づいて、人間の意識も含めて、世界が再構築される。

その結果、歴史が改変されたという事実さえ意識にのぼることがない。

「未来からのホットライン」では、このように説明されていたように記憶しています。(かなり曖昧な記憶ですが)
映画の「バック・トゥ・ザ・フューチャー」も、似たような考え方で成り立っているような気がします。

余り書くと、ネタばれになる惧れがあるのでここらあたりで。。。(爆)



おススメ度<★★★★★>

James.P.Hoganの後期の後期の作品は政治的なものが多くなり、あまり好きではないのですが、これを含めて初期の作品は文句なしに面白い。"Inherit the Star"、"Genesis Machine"など。
テーマ:英語
ジャンル:学問・文化・芸術
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