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途中何度も放り投げながら、1年近くかかってキングの "It" をようやく読了。
Kindle 表示で1400ページほどの長編で、これ以上長い小説はたしか高校のときに読んだトルストイの 『戦争と平和』 くらいです。(爆)
たぶんキングが作家として一番脂ののりきっていたときの作品で、彼の圧倒的な筆力にノックアウトをくらいました。

ただ、キングの英文はwordyで語順なんかもちょっとくせがあるから、一読しただけではよくわからない箇所もあった。
適当に一つ選ぶならば、例えば以下の表現とか・・・

the booklet went on to warm that a slingshot could be dangerous; the owner should no more aim one of the twenty ball-bearing slugs which came with it at a person than he would aim a loaded pistol at a person...
ガイドブックによれば、実弾を込めたピストルを人に向けてならないと同様、
20発添付の玉を入れたスリングショットを人に向けてはならない。同じくらい危険な行為だ・・・

たぶんこんな意味だと思うが、一読しただけではよくわからなかった。
キングは学校英語では絶対に習わないような口語表現も多く、アメリカのポップカルチャーなんかもふんだんに出てくるから、それらの背景知識がないとちょっとしんどいのかもしれない。

もう一つ例を挙げれば、
so scared, he was nearly creaming his jeans but laughing wildly all the time.
怖くてジーンズにちびるところだったが、それでもその間中ずっと笑いころげていた。
たぶんこんな意味だと思う。creaming his jeans は「ちびる」という意味だと、昔、どこかで聞いた記憶があるから。
辞書やネットで調べたわけではないから、間違っているかもしれないが・・・

⇒やっぱり間違えていた。(爆)
ネットで調べたら、cream your jeans はスラングで、premature ejaculation だそうです。
「ちびる」には両方の意味があるから、そんなに離れていないか・・・。

キングは比喩表現がとてもうまいと思う。
いくつか例を挙げれば、

The huge sunflowers nodded sagely togather.
巨大なひまわりが一緒になって物知り顔におじぎをした。

His eyes looked like rasins pushed into dark circles of sweat.
彼のひとみは汗で黒ずんだ眼のくぼみの中に押し込まれた干しぶどうのように見えた。

昔はハンサムだったが今は太ってその面影もないということを、キングはこんな風に表現する。
The sharp, handsome features I remenbered were buried in an avalanche of flesh. するどくハンサムだったかっての彼の姿は、今では肉のavalanche(なだれ)の中に埋もれていた。

キングはこうした比喩表現が豊富で、彼の英文は読んでいてとても楽しい。
あるサイトでネイティブの読者も、キングの言葉の使い方についてこんな風に絶賛していた。
I love King's way with words. That's what has kept me going…

ちょっと疲れているので、 "It" の詳しい感想は後ほど書きます。
個人的には "It" は、キングの最高傑作だと思う。

4月から、NHKの語学講座、『実践ビジネス英語』 を再開しました。
どうせ途中で飽きてやめるだろうけれど・・・。
PCでエアチェックしたものを、Googleドライブでスマホに落として、休日に近くの公園に出かけてまとめて聞いています。
その後は自分でもテキスト文を articulate して それを Hi Quality Rec というスマホアプリで録音し、放送で聞いた音と自分の英語の音がどう違うかをチェックしています。
できるだけテキスト全文を丸暗記してそらんじるように努めながら・・・。

⇒Stephen King の文体について


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秋の夜長に、Stephen King のホラー小説、「It」 をのんびりと読んでいる。(「It」 は、Kindle 表示で1376ページの長編。)

「It」 を読みながら、King の文章はある意味、とても俳句的だと思った。
俳句の手法の一つに、小さな一点にフォーカスして全体の情景やその場の雰囲気を詠むという方法があると思うが、
⇒たとえば、飯田蛇笏の有名な句、
「芋の露、連山影を正しうす」
晩秋の芋畑の葉に降りた朝露、その向こうに雄大な山々が威儀を正しくしている。そんな意味の句だと思う。(芋の葉に降りた朝露が広大な山々を映し込んで光っている、という意味かもしれない? まあ、解釈は読む人の自由だと思うが。)

とても俳句的だが、King もこうした手法をよく使う。

たとえば、いま読んでいる 「It」 の書き出しでも、
道路わきにあふれた排水溝にはかなげに浮かぶペーパークラフトの小舟にフォーカスしながら、大洪水とこれから起きる殺人事件を暗示していく。

また 「It」 の中から無雑作に抽出すれば、少年が全力でこぎ出して自転車の速度が一気にアップしていく様子を、小さなトランプカードにフォーカスしながら次のように書く。

The cards clothespinned to the fender-struts stopped firing single shots and started machine-gunning.
「自転車の泥除けを支える棒(fender-struts を日本語で何と呼ぶのか知らない)、そこに洗濯ばさみで括り付けたトランプが風にゆれだし、単発銃の音からマシンガンのうねりへと変わった。」

King の、こうした細部の一点にフォーカスして全体の情景や雰囲気を描写する手法は、とても俳句的だと思う。

また、King の文体は俳句のように、簡潔でvivid。
上の1行もそうだが、以下の数行でも

Up ahead of them, in the trainyards, a diesel engine revved slowly up, faded off, and then began to all over again.
Onece or twice they heard the metallic music of couplings being smashed togather.
「彼らの前方のトレーンヤード、そこでディーゼルエンジンがゆっくりと回転数を上げる、回転数を下げる、それからまた上げる。1、2回と、彼らは連結器がぶつかってかなでる金属音を聞いた。」

もちろん、King の文体は多面的だから、一言では定義できない。
King は途中で放り投げたくなるほどくどくどと長ったらしい文章も多いが、それもメインストリーにまったく関係ないような細部にこだわって、そうした中で、上に引用したような簡潔でvivid なlines に出会うとほっとする。

個人的には、King の文体がとても好きだから(うんざりすることも多いが)、それを味わいながら、秋の夜長をのんびりと過ごそう。

以下は、King の中編小説、「The Body」の書き出し部分から。(映画のタイトルは、Stand By Me。)
やたらくどくて饒舌というKing のもう一つの面が出ていると思う。 こういった部分もわりと好きだ。(爆)

"The most important things are the hardest to say. They are the things you get ashamed of, because words diminish them -- words shrink things that seemed limitless when they were in your head to no more than living size when they're brought out.
But it's more than that, isn't it?
The most important things lie too close to wherever your secret heart is buried, like landmarks to a treasure your enemies would love to steal away.
And you may make revelations that cost you dearly only to have people look at you in a funny way, not understanding what you've said at all, or why you thought it was so important that you almost cried while you were saying it. That's the worst, I think... "


欧米のサイトで、どんな SF がオールタイムベストに選ばれているのか、調べてみた。
有名どころでは、David Pringle's the 100 Best Novels of SF などを含めて、いくつかのサイトを覗いてみた。
どこも、日本での評価とはまったく異なっていた。

あるサイトだと、ベスト10は、以下のようなランキングになっていた。⇒Top 100 Sci-Fi Books

① Dune (Frank Herbert)
② Ender's Game (Orson Scott Card)
③ The Foundation Trilogy (Isaac Asimov)
④ Hitch Hiker's Guide to the Galaxy (Douglas Adams )
⑤ 1984 (George Orwell)
⑥ Stranger in a Strange Land (Robert A Heinlein )
⑦ Fahrenheit 451 (Ray Bradbury)
⑧ Neuromancer ( William Gibson)
⑨ 2001: A Space Odyssey (Arthur C Clarke)
⑩ Do Androids Dream of Electric Sheep? (Philip K Dick)

この選択は、個人的には、非常に不満だし承服もできない。(以下、作品名は日本語タイトルにしています。)

Dune や 『エンダーのゲーム』 がアメリカで評価が高いは分かるが、1位と2位になる作品ではないだろう。
6位に、ロバート・A・ハインラインの 『異星の客』 が入っている。
日本でロバート・A・ハインラインのベスト作品をあげれば、ぶっちぎりで、『夏への扉』 が選ばれるはずだ。(ぼくとしては、Starship Troopers をあげたいが。)

このサイトは、作品としての素晴らしさよりも、映画化されてヒットした原作を中心に選んでいるように思う。
2位の『エンダーのゲーム』は、ギャビン・フッド監督により、2013年に映画化された。
8位の 『Neuromancer』 は、大ヒット映画 『マトリックス』 のモデルになっていたし、サイバーパンクというジャンルを生み出した作品だ。
9位の 『2001年宇宙の旅』 も、スタンリー・キュービックによって映画化され大ヒットした。(個人的には、アーサー・C・クラークのベスト作品は、『2001年宇宙の旅』 ではなく、『幼年期の終り』 だと思う。)
10位の 『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』 も、アーノルド・シュワルツェネッガー主演の映画、 『ブレードランナー』 のモデルになった作品だ。

このサイトで何よりも不満なのは、ジェームス・P・ホーガンの 『星を継ぐもの』 が選ばれていないことだ。(他のサイトもいくつか見たが、どれもホーガンは選ばれていなかった。)
ぼくは、『星を継ぐもの』 は、SF 史上に燦然とかがやく傑作だと思っているので、これにはちょっと納得ができない。
ちなみに、『星を継ぐもの=Inherit the Stars 』 というタイトルの由来は、主人公の一人、ダンチェッカー博士の次の言葉からきている。

"And so, gentlemen, we inherit the stars. Let us go out, then, and claim our inheritance. We belong to a tradition in which the concep of defeat has no meaning. Today the stars and tomorrow the galaxies. No force exists in the Universe that can stop us."

『だから、みなさん、私たちがこの星々を受け継いだのだ。だったら、行って、その相続を主張しようではないか。私たちの伝統では、敗北という概念は意味を持たない。今日は太陽系、明日には銀河系の外へ出ていく。私たちを止める力は、この宇宙には存在しないのだ。』

あまりに能天気だが、ぼくは、ホーガンのこうした無邪気な楽天主義が大好きだ。(爆)
ぼくも、一人のエンジニアとして、ホーガンみたいに科学と技術の進歩を信じたい。
とくに福島原発事故以来、科学への信頼がうすれて、非科学的なカルト主義が蔓延しているように思うから。

ホーガン作品では、『星を継ぐもの』 以外に、『創世記機械』、『未来からのホットライン』 なども好きだった。
日本語訳は読んでいないが、原文はどれも簡明で分かりやすい英語だった。英語リーディングの学習をやられていて、SF 好きな人は、是非、ホーガンの原書に挑戦してみてください。

『創世記機械』のメインプロットは、自然界の4つの力を一つに統合した統一場理論。もちろん、架空の理論なのだが、途中、物理学の教科書のような解説が続く。(爆)

『未来からのホットライン』 に関しては、以前、このブログでも少し解説した。
常温核融合、マイクロブラックホール、反粒子を使った過去との通信など、SF おたくが泣いて喜ぶプロットが盛り沢山なのだが、その一部を引用すれば、

⇒ビッグコミックから、「未来からのホットライン」の連載がはじまる!

自分は、素粒子物理学の知識はあやふやなので間違っているかもしれません。(汗)
過去への通信の媒体としては、時間軸を逆に進む"反粒子"が使われていた。高エネルギー状態で、電子-陽電子を対消滅させると、正のエネルギーを持ったガンマ線などとともに、負のエネルギーを持った反粒子パルス波も発生する。このパルス波は、時間軸を逆転して過去へ放出される。この性質を利用して、過去との通信を試みるという設定。たぶん、これはアメリカの物理学者ファインマンが提示した仮説に基づいていると思う。ファインマンは、日本の朝永振一郎とともに1965年にノーベル物理学賞を受賞している。

『星を継ぐもの』 についても、以前、ブログに書いた。
ネタバレしないように、ストリーのさわりを引用すれば、

⇒「星を継ぐもの」、SF 史上に燦然とかがやく傑作

205X年の近未来。
月の資源の調査をしていた一行が、月の渓谷の中に人間の遺体を発見する。
調査の結果、この人間は月面基地のどこの部署にも所属していないこと、さらには5万年前に死んだ人間の遺体だということが判明する。(遺体の炭素同位体の崩壊率から、年代測定はほぼ間違いないことが確確認された。)
5万年前の人間の遺体が、何故、月の渓谷にあるのか?
当時は人類は誕生したばかりで、月旅行に出かける技術を持っているはずもないのに。

この謎の解明に向かって、世界中からさまざまな分野の学者たち、医者、歴史学者、言語学者、考古学者、人類学者、生物学者、遺伝学者、物理学者などがチームを組んで挑戦していく。

それは、人類の由来、失われた惑星、太陽系の起源という壮大なミステリーへの挑戦でもあった!

ジェームス・P・ホーガンの作品は、どれも壮大なホラ話なのだが、豊かな想像力と、それを裏つける科学理論のディティールの確かさが読んでいてとても心地よい。たとえ、それが架空の理論であっても。
これこそが、まっとうな SF 作品だ!



↑ 『星を継ぐもの』 と、その続編、『ガニメデの優しい巨人』 を収録。どちらも、文句なしの傑作。それを1冊にまとめてこの値段だから、驚異のコスパだと思う。
このブログのタイトルの下の、
「Persons attempting to find a motive in this narrative will be prosecuted; persons attempting to find a moral in it will be banished.......」(この話の中に、テーマを見出そうとする者は告訴されるだろう。この話の中に、教訓を見出そうとする者は追放されるだろう・・・)という言葉。

この言葉は、大好きなアメリカの作家、マーク・トウェインの「ハックルベリー・フィンの冒険」から借りてきたものだ。
ぼくがこの本に出会ったのは、大学2年の夏だった。

当時は、アルバイトや授業の課題のレポート提出なんかに追いまくられていた。
その合間の気晴らしにいいだろうと思って、新宿紀伊国屋の洋書売り場に寄って買ってきた本の中の一冊だった。
エアコンのない下宿部屋の、脳みそも溶けてしまいそうな暑さの中で、ずっとこの本を読みふけっていた。。。

この本のあらすじは、こんな感じだ。(以下、ネタバレが含まれています。)

アルコール中毒の父親から逃げ出したハックは、同じく逃亡してきた黒人奴隷のジムと、ミシシッピ川の中洲で偶然に再会する。そこで、二人は協力しあってミシシッピ川をイカダで下って逃走することにする。

途中で、二人はいろんな騒動に巻き込まれていく。
何度も嵐に見舞われ、ミシシッピ川沿いの住民とのトラブルに巻き込まれながらも、ハックの機転でなんとか危機を脱出していく。

物語のところどころに散りばめられた、ミシシッピ川の自然の描写、壮麗な日の出や夕日など。
イカダの上から見る、満点の星空。。。

この物語は、ミシシッピ川そのものが、主人公だといっていいくらいだ。

ジムの逃亡を手伝いながらも、ハックは良心の呵責にさいなまされる。
(1840年代では、奴隷は誰かの所有物であり、その逃亡を助けるということは、その人の財産に対する侵害になっていてたのだから。)

それでも、ハックは自分の気持ちに従って、ジムと行動を共にする。
途中で、仲間の裏切りにあい、ジムは囚われの身になってしまうが、そこにハックの悪ガキ仲間のトム・ソーヤが登場して、二人の窮地を救うという結末。

最後には、ジムも自由の身になり、一応はハッピーエンドなのだが、戻るべき場所のあるトムとどこにも帰属していないハックとの違いがはっきりしていて、なんとなくつらい気持ちにさせられる結末でもある。

最後には、同じ悪ガキ仲間でも、トムソーヤは体制の側にいるけれど、自然児のハックはそこからはじき出されているということがはっきりしてしまう。
ハックは、これからどうなるのだろうか?
幸せになれるのだろうか?
ハック少年が幸せに生きていけるような社会、それこそがアメリカの理想の社会であり、マーク・トウェイン以降も、何度も取り上げられるようになる、アメリカ文学のテーマなのだろう。

これは、書き出しの部分。
You don't know me,whithout you have read a book by the name of The adventures of Tom Sawyer.
But that ain't no matter.
That book was made by Mr Mark Twain and he told the truth mainly.There are things which he stretched,but mainly he told the truth.
『トムソーヤの冒険という本を読んでなかったら、おれのことは知るまい。
だけど、そんなことはどうでもいい。
その本はマーク・トウェインさんが書いたものだ。大げさに書いているところもあるが、おおかたは本当のことを書いているんだ。』

こんなフザけた書き出しから始まる小説は、いまでもめずらしいのではないだろうか?

続いて、これはたまたまめくったページの一部だが、ジムが毒蛇にかまれて、二人で民間療法をこころみるところ。
He was barehooted,and the snake bit right on the heel.
That all comes of my being such a fool as to not remember that wherever you leave a dead snake,its mate always comes there and curls around it.
Jim told me to chop off the snake's head and throw it away,and then skin the body and roast a piece of it.I done it, and he eat it ,and said it would help cure him.
ジムは裸足だった。そして、足のカカトの右のところを蛇に噛まれてしまったのだ。
これは、おれが原因なんだ。おれがまったくドジで、蛇を殺してそのままにしていたのを忘れてしまっていたのだ。そしたら、連れ合いがやって来て、死んだ蛇のまわりでとぐろを巻いていたというわけだ。
ジムは、蛇の頭を切りとって投げ捨てるように、おれにいった。
それから、蛇の皮をはいで、肉をローストにするようにと。
おれはいわれたようにやった。
ジムはその肉を食べて、こうすれば、傷も治るに違いないといった。
(ハックもジムも、当時のいろんな迷信や因習にとらわれてるいる。)

これは、ジムがつかまって彼を助ける決心をしたときのハックの決意。
"All right, then, I'll GO to hell"―and tore it up.
It was awful thoughts and awful words, but they was said. And I let them stay said; and never thought no more about reforming. I shoved the whole thing out of my head, and said I would take up wickedness again, which was in my line, being brung up to it, and the other warn't. And for a starter I would go to work and steal Jim out of slavery again; and if I could think up anything worse, I would do that, too; because as long as I was in, and in for good, I might as well go the whole hog.

「こうなったら、地獄へでも落ちてやる。」 それから、手紙を引き裂いた。
これは、ひどい考えだし、ひどい言葉だった。だけど、もう言っちまったことだ。おれは撤回せずに、そのままにしておいた。
それから、もう手紙のことを頭から追いやった。
「以前のように、悪いことをやってやろう。おれにはこれがふさわしいんだ。」
おれは、悪いことをずっとやってきたし、他の生き方など知らなかった。
まずは、ジムを奴隷の身分から救い出そうじゃないか。
それから、もっと悪いことを思いついたら、そいつもやってやろうじゃないか。

最後は、自然児ハックの心情が語られていて、この小説を象徴しているような印象深いシーン。
We said there warn't no home like a raft, after all. Other places do seem so cramped up and smothery, but a raft don't. You feel mighty free and easy and comfortabole on a raft.
「おれとジムは話し合ったんだ、イカダ以上の家なんてないだろうなって。他だったらごちゃごちゃしていたり、息苦しかったりするだろうが、イカダの上だと、自由で、のんびりできて、快適なんだ。」

社会からドロップアウトした、文字もろくに書けないハック少年の一人称で語られているので、そんなに難しい単語が出てくるわけではない。
だけど、withoutが接続詞で使われたり、madeの用法など、発表当時(1985年)でも南部方言や俗語的な言いまわしが問題になったくらいだから、いまでもおかしいと思う用法がいっぱい出てくる。たとえば、 betweenをbetwixtと書いたり、knewをknowedと書いていたりすることなど。(当時は、辞書で調べても解答が見つからないので、考えあぐねていたが、結局は、ハック少年の間違った英語の使い回しなのだと納得した。)

もちろん、こうした言い回しこそが、マーク・トウェインの文体の魅力の源泉にもなっているのだが。

やっぱり、マーク・トウェインは、言葉の練金術師なのだなと思う。

マーク・トウェインこそが、それまでのイギリス人の英語から離れて、アメリカ人のための英語を生み出した最初の作家なのだと思う。

ヘミングウェイも、この作品を絶賛していた。
All modern American literature comes from one book by Mark Twain called Huckleberry Finn.・・・・・・It's the best book we've had. All american writing comes from that.There was nothing before.There has been nothing as good since. "Hemingway's Green hills of Africa"
「すべての現代アメリカ文学は、ハックルベリー・フィンというマーク・トウェイの1冊の本に由来している・・・(途中省略)。
これこそが、アメリカが持っている最高の文学だ。すべてのアメリカ文学はそこからきている。それ以前にはアメリカ文学などなかった。それ以降も、これに並ぶ作品は出てこなかった。」


ぼくは、純文学は好きでもないしあまり読まないけど、この「ハックルベリー・フィン」とサマーセット・モームの「人間の絆」だけは、もう一度読み返してみたいと思っている。



テーマ:英語
ジャンル:学問・文化・芸術
今回は、時間旅行(タイムトラベル)をテーマにしたSF小説の紹介です。
そして、原文の英語のレベルについても少し解説していきます(FC2の、語学、英会話の部門でのランキングがアップしました!)。 

最初は、
The Time Machine by H.G.Wells 「 タイムマシン」 by H・G・ウェルズ

これは外せないでしょうね。

考えてみてください。

19世紀後半、車も、テレビも、電話も、洗濯機も、冷蔵庫もまだ発明されていない時代です!
ライト兄弟の飛行機もなくて、移動手段といえば、もっぱら馬車と蒸気機関車ですよ。
もちろん、量子力学も、相対性理論もありません。

そんな時代に、タイムマシンを発明して、時間旅行に出かける男の物語を書こうと思いついた作家がいるんですから(SFというジャンルすらまだ確立していなかった)。

その後、何万というSF小説が書かれるけど、これを超える作品はまだ出てきていないんじゃないでしょうか?(もちろん、異論があることは承知しております)。

ちなみに、ミステリーに関しても、エドガー・アラン・ポーの「モグル街の殺人事件」を超えるミステリー小説はまだ出てきていないと思っているんですが(これにも、異論が多いということは承知しております)。これも、ミステリーがまだ確立していなかった時代(シャーロック・ホームズよりずっと以前の、19世紀中期)に書かれたミステリー小説ですよね。

ともかく、タイムマシンは、お勧めの1冊です。ただ、読んでいて、たいへん悲しい気持ちになる物語でもあります。ウェルズは、人類の将来に対して、悲観的に考えていました。

英語に関しては、平易な文体で書かれています。高校3年生くらいの英語レベルがあればOKです(たぶん?)。

最初こそ知らない単語に出くわして、辞書で調べたりするかもしれませんが、作家が使う言葉はある程度パターンがあるので、慣れてくれば辞書を引く回数は少なくなりますよ。

2冊目は、
Timescape by Gregory Benford 「タイムスケープ」 by グレゴリー・べンフォード

これは、時間旅行ではなく、超高速粒子、タキオンを使っって過去と通信するという物語。
まあ、こっちの方がはるかに実現可能かと思いますが。
タキオンとは、一般の物質と違って、マイナスの質量を持った物質です。
(その質量は自然数ではなく、虚数単位を使って定義するのだそうです)。それの波動を利用して、時間を反転(虚時間を発生させる?)させて、過去と通信しようとする物語です。

ベンフォード自身が、本職の物理学者ですから、科学的ガジェットとしては申し分がないお話です。

英語に関しては、今回紹介する3冊の中では、一番難しく感じると思います。大学1,2年生レベル?の英語力は必要かと思います。

最後は、
The door into summer by Robert.A.Heinlein 「夏への扉」 by ロバート・A・ハインライン

これは、冷凍した状態での時間旅行を題材にした物語です。
一番好きなSFは何か、という投票が行われれば、たいていは1、2位になるくらいの有名な小説です。
ぼくは、大学2年の夏休みに読みました。この本に出会えて幸せでした。
SFというジャンルの中に留めておくのはもったいない。一般の読書好きの人にも、是非読んでもらいたい。(今回の3冊から1つだけを選べといわれたら、まちがいなくこの本を選びます)。

タイトルは、真冬のコネチカット州で、何処かに夏への扉があるんじゃないかと、主人公と仲良しの猫のピートが、家中のドアをすべて開けて調べまわることから来ています。猫好きの方にも、お勧めです!

きれいで、平易な英語で書かれています。高校3年生の英語力?くらいでOKです。

以上3冊、帰省される際とか、夏休みの旅行とかに、持って行かれたらどうでしょうか?



参照記事
ぼくの英語との出会い
お薦めのPB(未来からのホットライン)

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