上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
久しぶりに英語ネタです。
今回は趣向を変えて、"である調"で書いてみました。
英語の不定冠詞、名詞の可算、不可算の区分などについて書いてみます。これらは、日本人には取り扱いがとても難しい分野だと思うので。

ずっと昔、英語では冠詞と名詞は不可分なもので、この2つが一体となって、名詞の意味とその意味的カテゴリが決定されるのだと思っていた。

だけど20年ほど前、マーク・ピーターセンの「日本人の英語」を読んで、この考えは間違っていることに気づいた。

<日本人の英語>
この類の説明では、すでにあった、ちゃんとした意味をもった名詞に、a(an)は、まるでアクセサリーのように「正しく」つけられるものであるかのように思われる。
しかし、本当は逆である。すでにあった、ちゃんとした意味をもっていたのは、"a second glass of the old Madeira"の"glass"ではなく、その"a"である。そして、glassという名詞の意味は不定冠詞の"a"につけられたことによって決まってくる。・・・・・・・・

もし"つける"で表現するならば、"a"に名詞をつけるとしかいいようがない。・・・・・・・・

例えば、もし食べ物として伝えたいものが、一つの形の決まった、単位性を持つものならば、"I ate a..a..a hotdog!"(あるいはa sandwich, a rice ballなど)と、"a"を繰り返しつつ、思い出しながら名詞を探していくことになる。もし食べた物として伝えたいものが単位性もない、何の決まった形もない、材料的な物ならば、おそらく"I ate uh...uh..meat!"(あるいはfrench bread,riceなど)と思い出していうであろう。

マーク・ピーターセンによれば、ネイティブは、aやtheや無冠詞(これもカテゴリを表わしており、いわば無冠詞という冠詞)などで先に意味的カテゴリを決めてから、それから名詞を選んでいく。

"a glass"を例にとれば、先にあるのは"a"であり、"a"によって始めてグラスという一つの形の決まった、単位性を持つものが現れるようになる。
"a"は"glass"につくアクセサリのようなものではなく、むしろその逆なのだ。
"a"によって始めて、無形の材料的なガラス(glass)ではない、一個の形のある食器としてのグラス(a glass)のイメージが出現するというわけだ。

これは、"a"だけではなく、"the"や"無冠詞"でも同じことなのだ。
"the"も"無冠詞"も、それぞれ固有の意味的カテゴリを表わしており、それが決定されてから、名詞が選ばれていくのだ。(不定冠詞の"the"については、次の機会に書こうとと思っています。)

それから、英語辞書で名詞を調べると、たいていは可算名詞、不可算名詞と区分して表示されている。そして、可算名詞は不定冠詞の"a"か、複数を意味する末尾の"s"を伴い、無冠詞の裸のままで表現されることはないという。また、不可算名詞は、"a"なしの裸の状態で表現されるという。
だけど、名詞は可算とか不可算とかにあらかじめ決まっているのではなく、文脈によってどちらにもなりうるのだというのが正しい考え方なのだと思う。

例えば、以下のような例。(注1)
"I've played with a little stray dog for a few hours, and my hands still smell of dog."
また、これはちょっとむごいケースだけれど、
"There was cat all over the driveway."
→このように、可算名詞の代表であるdogやcatでさえ、文脈によっては不可算化する。

そしてこれは、不可算化(=無冠詞化)することによって、あらたな意味的カテゴリを得とくするので、無冠詞は単に冠詞がないというものではない。
(名詞の可算、不可算には例外があって、luck,advice,machinaryなどは抽象化の度合いが強すぎて、決して可算名詞にはなりえない。そして、こうした例外が多く、それが恣意的になされるということが、冠詞の習得を困難にさせているのだけれど。)

「日本人の英語」によって、曖昧模糊とした英語の冠詞が、少しだけ分かったような気がした。それまでは、冠詞は英語という言語世界の根幹にかかわっている存在だということはなんとなく分かっていたけれど、苦手意識がつねにつきまとっていた。

これ以外にも、単数・複数、時制や前置詞など、日本人の英語学習者が間違いやすいトピックを集中して取り上げており、まさに日本人にうってつけの英語の解説本。発売から23年経っているけれど、いまでもコンスタントに売れ続けている超ロングセラーでもある。

(注1) 例文の日本語訳
*数時間、ちっちゃい捨て犬と遊んだので、手にはまだ犬の匂いがしている。
*ドライブウェイの一面に、ひかれたネコの死骸が散らばっていた。
(dogやcatは無冠詞化することで、一つの形の決まった単位性をなくして、境界を引けない犬の匂いや散乱したネコの死骸の破片などを表現するようになる。)



参考記事
あいまいな日本語について
「40ヶ国語習得法」の感想文。
ボキャブラ本、"30 days to a more powerful vocabulary"

ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村
スポンサーサイト
テーマ:英語
ジャンル:学問・文化・芸術
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。