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いろいろと忙しく、ブログ更新の気力と時間の確保が困難なこの時期。
巷で話題のTPPについて一言。
かなり乱暴に単純化しているので、アップすることに少し躊躇いもあった。
正直に言えば、ぼくはこれを深く論じるための時間も能力も持ち合わせていないのだと思う。

[本文]
自由貿易はリカードの比較優位の法則を持ち出すまでもなく、最終的には参加者全員に利益をもたらす。

⇒比較優位について

いま、保険や農業や医療などの分野で保護貿易の既得利益を得ている者たちが、TPPへの反対をさかんに主張している。
だけど、彼らの利益は、自由な競争によって他のもっといい商品を選択できたかもしれない大多数の消費者の犠牲によって成り立っているのだ。

たとえば、出版物を例にあげれば、
先日亡くなったジョブズの伝記本の翻訳が、講談社から出版された。
上下セットでおよそ4,000円という値段設定で。
これを米国のアマゾンの電子書籍版で調べたら、17.29ドルだった。
いくら、翻訳や装丁などに手間がかかっているとしても、日本での4,000円というのはひどすぎるだろう。3倍以上も高い値段設定だ。
⇒ついでに言えば、講談社の日本語版の装丁は最悪だ。スティーブ・ジョブズは伝記の内容に関しては、一切、伝記作家に口を挟まなかった、そのジョブズも、本の装丁にはこだわった。英語のオリジナルはシンプルな本で、彼が作り上げたmacやiPodやiPhoneにそっくりだ。

こんなことは、日本の出版業界が競争を排除して、独占的に本の値段を決められるから可能なのだろう。これは、一般の消費者の犠牲によって成り立っているものだ。

うれしいことに、アマゾンが電子書籍の事業を日本でも開始するそうだ。
これによって、既存の出版社は独占的に本の値段を決めることがきなくなる可能性がでてきた。
これは、出版業界には黒船みたいにショックな事件かもしれないが、一般消費者にとってはうれしいニュースだおう。

これがもし、出版業界が政府に圧力をかけて、アマゾンの参入にあくまで反対したらどうなるだろうか。
ぼくたちは、本来ならば1,300円ほどで買えるはずの本が、これからもずっと4,000円で買うはめになるのだ。(翻訳のコスト代を支払ったとしても、せいぜい2,000円までだろう。)

JA(農協)や医療団体などがTPPに関してやろうとしているのは、これとまったく同じことだと思う。(たかが、本の出版と、農業や医療を一緒にするなと言われそうだが。)

安全な食の供給、誰でもが安心して受診できる医療制度などを人質にとって、TPPや自由貿易に反対して自分たちの利益を守ろうとしているだけだ。
そのコストは、消費者や納税者に転換されるというわけだ。

もし、彼らの提供するものが素晴らしく顧客を満足させるものならば、自由化されてもみんな彼らから購入するだろうから、何も問題がないはずだ。
もし、購入しないのなら、問題は彼らにあるわけで、政府に圧力をかけて、競争者を排除するということは正しい解決策ではない。

自由貿易は、一部の者には不利益をもたらすけれど、大多数の者はそのメリットを享受できるシステムだ。
ただ、そのメリットは全員に均等に薄められてしまうので、そのことが政治の議題にのぼることはあまりない。
たとえば、自由化することで、夕食の牛肉の値段が100g300円から200円に下がるからといって、その100円のためにデモを行う者はいない。
一方では、一部の酪農家がこうむる不利益は甚大だから、暴動や反対集会や街頭デモも起きるし、政治の議題にもなってしまう。

だけど、これらは失業保険、再生支援などの他の対策で救済するべき事柄で、このためにTPPや自由貿易に反対するのは間違っていると思う。

また、TPPに反対する人は、少なくともリカードの比較優位くらいは理解してから反対するべきだと思う。もちろん、実際の世の中が経済学の教科書通りに動くとも思わないが。

[追記]
JA(農協)はともかく、医師会までもがTPPに反対する理由がよくわからなかった。
池田信夫blogを読んで、ようやくわかるようになった。

⇒医師会はなぜ混合診療をいやがるのか

TPPで混合診療を認めると、医療の世界にも自由競争が起きて、開業医たちが失業するかもしれないのを恐れているのだ。
誰でもが安心して受診できる医療制度を守るためなどと主張しているが、やっぱり一番心配なのは自分たちの権益なのだ。

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