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風邪で仕事を休んだ。
病院から帰ってきてからは、ずっと家にいた。
暇つぶしに、Podcastから、BBCラジオの" In Our Time Science"のアーカイブを落として聴いていた。
アーカイブの中には、" Calculus "という微積分の誕生に関する話があった。
微積分法の発明の栄誉は、ニュートンとライプニッツのどちらに与えられるのかという話題だった。

これは、非ユークリッド幾何学の発明の栄誉が誰に与えられるのかという話などと並んで、数学史上、最もホットな論争だった。
(⇒ぼくは、数や幾何学や微積分などは、人がたまたま考案したものだという考えによっています。
1+1=2というのは、赤信号で止まるのと一緒で、人が作った約束事。
意地の悪い例を持ちだせば、温度が同じならば、1リットルの酸素と2リットルの水素を足すと、1リットルの水蒸気ができるわけで、1+1=2が当てはまらない現象は、この世界にはいくらでもある。)

昔は、ライプニッツがニュートンの未発表論文を盗作したという非難がなされることもあった。主に、ニュートンの母国のイギリス側から。
いまでは、ニュートンとライプニッツはそれぞれ独自に微積分を編み出したということが判明している。
たぶん、ニュートンは力学的な運動系を考えながら、ライプニッツの場合は曲線とその接線の関係や意味を考えながら、微積分を編み出していったのだと思う。

薬が効いてきたのか、いくぶん体調もよくなったので、久しぶりにブログ更新をします。
書きたいのは、ニュートンとライプニッツのどちらが先に微積分法を編み出したかという話ではなく、かれらの時間・空間認識の違い、アインシュタインの時間認識などについて。この3人は間違いなく、人類の知のスーパースターだから。

あるいは、かれらの考えではなく、かれらが考えたと思う、ぼくの解釈について。

引力の発見や微積分法を編み出したことで有名なニュートンは、絶対時間・絶対空間の提唱者でもあった。
絶対時間とは、「それ自体で、その本性によって、外界のいかなるものと関係なく一様に流れるもの」。
絶対空間とは、「それ自体で、その本性によって、外界のいかなるものと関係なく、不動にあるもの」、たぶん、古典的なユークリッド幾何学が描く空間イメージ。

やがて、ニュートンのこの考えが支配的になる。
この世界のフレームをユークリッド幾何学が示し、そこに存在しているものの運動系はニュートン力学が説明してくれると考えられるようになった。(天上のことはバイブルが、地上のことはユークリッド幾何学とニュートン力学がそれぞれ説明してくれると信じられるようになった。)

これに対して、ライプニッツは猛然と反対した。

ライプニッツによれば、この世界に存在しているもは、相互の順番や関係や変化などを考慮すればいいだけで、「絶対時間」や「絶対空間」という外枠(画家が絵を描くためのキャンパスのようなもの)を導入する必要はない。
後づけの科学知識から判断すれば、ライプニッツの方が正しかった。
後のアインシュタインの相対性理論でも、存在しているもの間の関係から、時空論が構築されていているわけで、「絶対時間」も「絶対空間」も要請されていないから。

時間に関していえば、アインシュタインは、「絶対時間」や均一に流れる時間、さらには、「いま」という時間の特異性さえも否定しているように思う。
あるいは、アインシュタインの相対性理論では、「過去」と「いま」と「未来」は、いつでも実在しているといえるのだろう。
もちろん、それだからこそ、時間旅行が理論的に可能になるわけだし(いまの科学レベルでは技術的には不可能だとしても)。
「現在」だけが存在しており、「過去」はすでに失くなっており、「未来」もまだ来ていないというのなら、時間旅行は理論的にも不可能なはずだから。

たぶん、時間が「過去」と「いま」と「未来」の三つの要素から成り立っているという考えは、正確ではないのだろう。

そして、流れる時間という感覚は、人間に固有の感覚器官の錯覚に基づく「まぼろし」なのだろう。

あるいはカント風にいえば、「時間」とは、ぼくたちが外界を認識するために必要な A priori な形式。
ぼくたちの時間感覚が絶対的なわけではなく、たぶん時間とは、ぼくたちが進化の過程でたまたま身につけた、外界から生存に必要な情報を抽出する機能を備えた器官、その器官に固有の感覚なのだろう。

これは、ぼくたちが進化の過程でたまたま発達させてきた視器官が、電磁波の中のごく一部の周波数を抽出して色彩というアプリオリな形式として認識するようになったのと、まったく同じことなのだ。

たぶん、ぼくたちが「時間」の流れとして捉えている、「過去」も「いま」も「未来」も、居場所が異なっているだけで、いつでも存在しているのだと思う。

参考図書
下の本は、物理学者が書いた「タイムマシン」の作り方について。
誰にでも理解できるように解説されています。
大阪市の中央図書館に英語版があるので、大阪市内に居住している方は借りて読むことができます。




参考記事
「数学をつくった人びと」 byE.T.Bell
英語の時制と、T.S.Eliotの4つの四重奏
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テーマ:自然科学
ジャンル:学問・文化・芸術
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