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先日、アベノの喜久屋書店に寄ったら、「数理を楽しむ」という特設コーナーがあって、そこに数学関連の本が展示されていた。
数学関連の本が特設コーナーでこんな風に紹介されているのは珍しくて、なんとなくうれしかった。

そのなかに、E.T.Bellの「数学をつくった人びと」もあった。

この本は、大学のときに読んだけれどとても面白かった。
学校で習う数学を、それを生み出した数学者と時代背景を通して楽しく解説してくれていた。


数学1


英語と数学はとくに重要な科目のはずだし、ゆとり教育なんかやめて、国や教育機関もこの二つにもっと力を入れて欲しい。
いまやLingua Francaになった英語は、これから世に出ていく人には必要なパスポートだろう。
数学も科学やコンピュータの共通言語だし、これからのも必修科目だと思う。
技術立国をめざすのならば。

ガリレオの言葉を引用すれば、
"We look into mysteries of nature through the language of mathematics."
我々は、自然の神秘を数学という言語を通して探究する。

ガリレオが、数学を言語の一種だと言っているように、この二つは学ぶうえでも共通点が多い。

英語も数学も、いままで学んだ日本語とまったく異なるため、はじめは戸惑うかもしれないけれど、ほとんどは慣れの問題にすぎない。
また、英語と数学には固有の文法や世界観(view of the world)があって、これまでの常識で処理しようとすると失敗する。

たとえば、英語では、日本語を通して英語を理解しようとすると失敗する。
英語があるレベルにまで達すると、日本語から離れて、英語を英語のままで処理するという訓練が絶対に必要になってくる。

いわゆる、「英語脳」をつくることが大事なのだと思う。

これに少し関連しているエントリでは、
⇒英和辞典の弊害と英英辞典の必要性について

数学でも、「数学脳」をつくることが大事なのだと思う。
「数学をつくった人びと」は、歴史上の数学者たちの格闘を通して、この「数学脳」のつくり方みたいなものを教えてくれている。

この本の最後に紹介されていた数学者が、カントール。

彼は、「集合」という概念を数学に持ち込んだ。
この「集合」は、やがては、すべての数学の基礎になっていく。
また、カントールは、それまでタブーとされていた、「無限」を数学に持ち込んだことでも有名。

カントールが言った有名な言葉。

「数学の本質は、その自由の中にある。」

こういうことをストレートに言える、カントールはカッコいいと思う。
だけど、このカントールの自由な精神は、一般に受け入れられることがなかった。彼は学会からも無視されて、ついには精神を病んでしまい、精神病院の一室で一生を終えることになる。

その業績が評価さるのは、ずっと後のことだった。

カントールが証明した、驚がく的事実の数々。

線分を点が隙間なくつらなったもの(無限集合)としてとらえるときに、長くても短くても、そこに含まれている点の数は同じである。
1センチの線分であっても1メートルの線分であっても、点の数においてはまったく違いがないのだ。
こうした考えは、最高に自由な精神の発想であり、点や線分がどうなっているか、さらには、数や無限というものがどうなっているのかをことんまで考え抜いたからこそ出てきたものだろう。

(点とは幅のないものであって、それを無限に集めたからといって、線分になるわけではない?
0 × ∞ = 0 であるように。
こうした反論が起きるのは当然ですが、ここではおいときます。)

この考えでは、どんな長さの線分でも、その点の数は同じに思えるかもしれない。(無限大)
⇒これは、正しい。

さらには、無限の集まりであれば、そこに含まれる要素はどれでも同じ数に思えるかもしれない。(同じ無限大だから。)
⇒これは、間違っていた。

これをべつの言葉に言い換えると、自然数全体の無限よりも、任意の線分(無理数を含んだ実数体)の方が数が大きかった。
同じ無限でも、その大きさには違いがあったのだ。(この表現は数学的には厳密ではないけれども。)

このことは、カントールによって、数学的に厳密に証明された。

この証明は、ここでは書かない。
これを書くと長くなるし、ブログのアクセス数も下がるだろうから。
もちろん、点を無限に集めたらといって、線分(長さ)になるわけではないという反論もあるだろうから、興味のある方はネットや関連書籍を参照してください。
集合論などで検索すれば、詳しく解説されているサイトがあるはず。

数学の根源が、数を扱うという行為にあるのなら、1、2、3・・・などの個々の数だけではなく、数の全体などという「実無限」を数学に持ち込んだカントールは、マジですごいと思う。

どんなに無視されていても、自分の研究の価値は歴史が正しく評価してくれる。いわば、学者の最後のよりどころである、こうした挟持すらカントールにはゆるされなかった。
世間から見捨てられ、最後には、自分の一生をささげた研究の価値を疑いながら、不安の中、カントールは精神病院で亡くなってしまう。。。

「数学をつくった人びと」では、カントール以外にも、ニュートンや、20歳で夭折した天才ガロアや、数学の王様と呼ばれたガウス、四元数を考案したハミルトンなど、人類の知のスーパースターのオン・パレード。

英語を学ばれている方は、是非、原著の"The Men of Mathematics"に挑戦してみてください。
ベルの英語は、出版された時期が古いこともあって(1936年)、こった言いまわしが多く、少し難しく感じるかもしれません。

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テーマ:数学
ジャンル:学問・文化・芸術
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