20年くらい前に、スティーブン・ホーキング博士の「ホーキング、宇宙を語る」という本が日本でもベストセラーになりました。

当時、車椅子の天才科学者(ALS、Amyotrophic Lateral Sclerosis 筋萎縮性側索硬化)として、テレビなどのメデイアにもよく登場していました。

この本の英語の原題は、The Brief History of Time 「時間に関する短い物語」です。

ビッグバンやブラックホールについて論じていますが、同時に時間や空間という概念を一般向けに解説した本でもありました。

「本の中に数式を1つ入れるごとに、売上げが半分ずつ減っていく」という出版社の忠告を受け入れて、(E=MC*C)という数式を一個入れただけという、ある意味、無謀な宇宙論の解説書。

もともと現代の宇宙論が、数学的手法を用いて宇宙を解釈するという前提で成り立っているのですから(音楽を解説するのに、音符もレコードの音も使わないというのと一緒)。

ただし、出版社の忠告を守ったおかげで、この本は世界的なベストセラーになった(たしか、売上げが1千万部くらい)。

そして、この本で宇宙論や物理学に興味が湧いて、物理学の専門家になった人もいるという。

やっぱり、名著なんでしょうね。

ぼくの場合は、発売当時に買って読みました。

読んでいても、よく理解できなかった。

時間と空間が同時に誕生したのなら、空間は自由に、前後・左右・上下に移動できるのに、時間だけが、何故、過去から未来への一方向にしか移動できないのか?
そもそも、過去や未来は存在するのか?
たんに、過去の記憶、あるいは未来への予測としてぼくたちの意識の中にあるだけで、過去や未来は客観的に実在するものではないのではないか?
流れる時間という意識は、その記憶とか、予測とかが生みだす幻想ではないのか?

これに対する回答は、

時空の始まりには、虚時間があった、その後、実時間が誕生する。

そこから時間に方向性が生じて、時間が過去から未来へ流れるようになった。

この時間の方向性に逆らうようなタイムトラベルは、時間的閉曲線(注1)を作ろうとすることにほかならない。これは、量子論の効果によって、阻止される。時間的閉曲線が生じるほど時空を歪ませると、量子的効果の影響が極端に大きくなり、その構造が不安定なものとなるから。

なんか、こんな風な説明だったような・・・・。

英語のレベルに関しては、大学の1、2年生くらいの英語力があればOK。
後、ジャーナリストの娘さんと一緒に書いた、子供のための宇宙論の解説書も出ています。
こちらの方は、英語も内容ももっと簡単なはず。

(注1)過去に行くことを許す閉じた時間による世界線。かつては原因と結果の時間的順序、因果律を破ってしまうことから、閉じた時間を持った時空は現実的ではないとして否定されていたが、最近では見直されるようになってきた。


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